Home Again! – 私たちが大切なものに気づくには?

さてせっかくなので、先日書いた映画『グレイテストショーマン』を引用しながら、少し私たちの日常のものがたりについても書いてみたいと思います。


私たちは、程度の差はあれ、お金の自由、環境の自由、決定の自由、未来の自由…がないなかで、いつも他人や状況に振り回されます。

映画の主人公も、のっけから会社の都合でクビにされてましたね。
せっかく一大決心をして事業を始めても、チケットがなかなか売れない。

解雇や起業の経験とまではいかなくても、過酷な労務を課されたり、職場での人間関係の難しさに悩む自分の姿を、主人公に重ねた方も多いのではないでしょうか。

 

潤沢なお金があり、豊かな生活があり、自由に選択できる未来がある。
それは誰もが望むことです。

妻に対して
「まだ幸せにできていない」
と語る主人公には、
“自分の生き方を自分で決めたい”
という強い意志があります。

お金があること、誰からでも認められることは、自分の生き方を自分で決めるために絶対に必要だと確信しているからです。

 

主人公はこの難題を、アイデアで切り抜けようと試みます。
自分が持っているものを活用し、
見せ方を工夫し、
時にはウソもいとわない。

ある程度の成功を得た後に行うのは、すでに力=影響力を持っているもの、
すなわち本物と接続することです。
女王陛下に招かれたという事実で箔をつける、
オペラ歌手を招いた公演で事業を加速する。

独特な手法のように見えますが、いまを生きる私たち自身も、日々挑戦していることでもあります。
アイデアで会社の事業に貢献する、
ちょっとした工夫で仕事を効率化する、
“忖度”してよりうまくいくように手を尽くす…

スケールがちょっと違うだけで、私たちも日々、映画のようなストーリーを繰り広げています。

 

しかしそのストーリーの先には必ず、暗雲が立ち込めます。
「やっぱりお金のためだったのね」
裏切り、でもあり、当然の結果でもあります。

なぜなら、どうしても理解されない道を歩んでいるからです。
それは、
常にマイナスの現状を設定して、マイナスからプラスへ、の解決を試みる、
という道。

現状に満足できない、
どれだけやってもその先へ行かなければならない、
理想を追いかけ続け、止まることができない。

誰もが、周りがついてこられない、理解されない道を、ずっと歩んでいるのです。

 

映画では、主人公はすべてを失って、
強制的に無限ループから脱却させられました。

焼け落ちる自社、スキャンダル、莫大な負債、失った栄光。
灰の中に残ったものの中から、一番大切なものに気づくのです。

 

誰かに頼る成功のモデルから、
自分の中から無限に湧くアイデアと、目の前の相手の無限の可能性を花開かせることでの成功のモデルへ。

栄光や財産に頼らなくても、
今この瞬間にすべての理想が実現されていることに気づき、
だからこそ、自分が積み上げてきたものの大切さにも気づく。

そこから始まる理想的な人生への憧れと賞賛が、
映画の最後に描かれていたと、私は感じます。


では私たちも、
現実的にすべてを失うまで止まれない?
理想的な人生へ向かうことができない?

そう悲観することはないのです。
目に見える現実はそのままで、自分と自分の宇宙をリセットできる、認識技術があるのですから!

 

Home Again。
大切なものに気づくには、
この現実という映画のスクリーンの外に、出ることです。