彼岸の入り、彼岸花
彼岸花の花を見たことがあるならば、
「どこにその葉っぱがあるのか」
不思議に思われた方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
実はその葉は…
過去と、未来にあるのです。
晩秋。
花の散った地面から
わさわさと細い濃緑の葉が茂り、
そして春には枯れてしまいます。
秋、彼岸のころ。
何もない地面から、
すっくと茎だけが伸びて、
深紅の花火のような花を開く。
あの世に咲く花、という名もうなずけます。
今日は彼岸の入り。
きんもくせいの柔らかな香りのもとで
燃えるような花を咲かせる彼岸花。
その根元には
昨年の秋からこの夏を通して
ずっと力を蓄えた球根があり、
圧縮された命が、爆発する
その仕組み通りの美しさを
体現しています。