そうして荒れ果てた部屋の隅でうずくまっていた、
そんなあるとき、それはそれは大きなきっかけが
あらわれました。
父が、倒れた。
そのきっかけをもって、
私はあらゆることをリセットしながら、
同時に呆れもしました。
ここまで強烈なきっかけをもらわないと
動けないという、
自分とはいったいなんなんだ、
もう今後、こんなショックなきっかけは
ご免だ、
だというのに、それでも今後、
自分できっかけをつくれるような自信が
まったく持てない。
そのような自分に一体、
何の価値があるんだ。
あらゆるものが片付いて、
そして私はまた前のように
部屋が、心が荒れ果てるときが来るのを恐れました。
しかし、ついに今まで、
あのように部屋が荒れるときはきませんでした。
きっかけとは何なのか?
それは、宇宙がどのように生まれるのか? という問いと同じこと。
認識技術を通してその仕組みをみる方法が理解できた時、
あの時のまま荒れていた私の「部屋」が、
少しずつ、少しずつ、
片付き始めたのでした。