与党・共和党が上院では議席を伸ばしたが、
野党・民主党が下院で過半数を奪還した。
アメリカの中間選挙の結果が報じられました。
その「結果」よりも印象的だったのは…
大統領であるトランプ氏の、
「歴史的な勝利だ、ありがとう」
というコメントです。
下院で多数派を失い、いわゆる「ねじれ」の状態となって
政権運営が難しくなるという
ごく一般的な観点からすると、
一体何を持って「勝利」と言っているのか?
これが、どうやらただの強がりではない、
というのは、次のような評論を聞くと、
妙に納得させられました。
民主党が下院で多数派を占めたことで、
これまで以上に政策の遂行、公約の実現は
難しくなるだろう。
それと同時に、
「うまくいかなかったことは、
全て、民主党が邪魔したせいだ」
という論法も成り立つようになる。
トランプ大統領は、次期大統領選を念頭に、
民主党を非難する材料を得たのだ。
なるほど、と思うと同時に、
なんともむなしい話でもあります。
一体なんのための選挙なのか。
「民主主義は最悪だ。
それまでに試されたあらゆる政治制度を除いては。」
という歴史学者の言葉があります。
その制度があれば、それを守れば
理想が実現されるなどということはなくて、
だからこそ歴史を学び、
現実と本質をつなぐ知恵を磨くことが
重要なのだと改めて思わされます。